認知について2

さて、推しBの話をする。この推しBが展開してるのがいまどきの認知、量産型認知(戦略的認知)だと思う。認知を活用して営業をかけてくる。
なんとなく覚えられてるのかな?と思うことはわりと昔からあった。仕事帰りとかでウチワを持たずに入っても駆け寄ってくるし、やはりウチワなんてない映画の舞台挨拶でファンサをもらったこともある。ファンサするのにふさわしくないような場では、幕が降りるタイミングに合わせてひっそり会釈。スゲエエェェ。でも確信が持てなかった。勘違いかもしれないし、ウチワがなくてもひたすらガン見してるオタクがいれば、自分のファンかな?と思うのは自然なことで、むしろその程度の客席観察力もない子はステージに立つのに向いてない。
過剰なファンサに少々警戒しつつも、推しBに関して出待ち入待ち等もせず、最前全ステみたいな分かりやすいオタクでもなかった私は、まさかとも思っていたし、それをはっきり判別出来る機会が訪れるとも思っていなかった。しかし機会は3年前にある日突然やって来た。気分の問題だが、それまで使っていたウチワをがらっと変えました。推しBはそれを目ざとく見つけて「ウチワ変えたね!新しいウチワ!」と言ったんである。正直嬉しいよりちょっと怖かった。推しBは確実に私の顔とウチワを覚えていて、ウチワを変えたことを把握していた。かつそれを私に伝えることが、私を喜ばせると思ったから言ったのであろう。こ、これがいまどきの営業!さすが平成生まれ(関係ない)!
匿名とは言えこんなこと書いて大丈夫なの?と心配してくださる向きもあろうかと思うが、大丈夫だと私は思っている。なぜなら、推しBは同じことを私以外のオタクにもやっているだろうから。推しBに何か個人的に思い入れをされるような交流があった記憶が私にはない。推しBにとって認知って営業の一ツールに過ぎないし、ノーマル会員に対してちょっとゴールド会員的なものなんじゃないかと思う。けど会員は会員なんだよ、しょせん。なんのためにゴールド会員にするかというと、これは本当に本当のゴールド会員と一緒でようは顧客の囲い込みなんだろうなー。推しBはまだMAX大きな会場が常態化していないが、しかしいずれどこかのタイミングでオタクに対して推しCのような対応をとらざるを得なくなると思う。その時はむしろノーマル会員より囲い込んできたゴールド会員のほうが邪魔になるのではないか? 実はその時が来るのが怖い。あっさり打ち捨てられたら、推しBを恨んでしまいそうだからだ。推しCの時のようにおとなしく双眼鏡族に戻れる気がしない。それはやはり認知されたということが私の感情をややこしくさせているのだと思う。個別認識しているのにも関わらず、単にOne of them として扱われること、替わりのある、取り替えのきく部品として扱われていることが逆に私を疲弊させる。なんていうかもうすでに少し恨んでいる。そんな扱いなら個別認識なんてするなよ。ストレスなんだよ。認識してもしてないていで活動してくれよ。それがむしろショービジネスのルール、マナーなのではないか?
1で、推しAに認知されて、認知=お気に入りではないと学んだと私は書いたが、推しBにとっては認知=優先顧客(カモ)であるのだと推しBから教えられた気がする。

推しAが特殊なのだろうとも思う。推しAから、one of them だと感じる扱いを受けたことがない。それは別に自分が彼にとって特別だということではなく、推しAは誰に対してもone of one の対応が出来る人間だということだと思う。人の顔を覚えるのに長け、抜群のコミュニケーション能力と、一種異常な責任感を持つ推しAは、オタクだけでなく、現場のスタッフから監督からプロデューサーから共演者まで接する全員を感激させ、「Aくんはいつも僕なんかまで気にかけてくださって」などと言わしめている。推しAに演技の才能があるとか実は全然思ったことがない。推しAの唯一無二の才能は誰もにone of one で接することが出来る人たらし能力だと思っている。意識的に推しAからの認知エピなどを書かなかったが、推しBと違い特定されると思うので、ずるいが書かない。少なくとも推しA本人は確実に私を特定でき、そして不快に思うだろう。

認知と言っても、さまざまな段階と種類があると思う。カケモチのおかげで自分はそのことを知ることが出来た。彼らの前から去った時、推しAは「○○が去った」と思うだろうが、推しBは「オタクが一人減った」と思うだろう。